車椅子シーティング

食事と座位姿勢

食事の際の座っている姿勢の留意点

摂食・嚥下機能が最も生理的に正常な状態で働くのは健常者の摂食姿勢です。上体が直立位で頸部が軽く前屈した姿勢で、これを安全姿勢と呼んでいます。
しかし、摂食・嚥下機能に障害を持つ場合は、全身状態とその病状に応じて様々な角度のリクライニング姿勢をとらせていく必要があります。
また、若年者と高齢者では、椅子と机の高さの調整なども変わってきます。詳細は高齢者の最適な高さをご覧ください!
また、座っている姿勢には基本となる指標があります。詳細は、椅子座位姿勢の基本と指標をご覧ください!

シーティング方法と留意点

車椅子と食事

首と体幹の角度は、体幹を起こすと頭部が後屈して前頸部伸展の状態になってしまうことが多いです。このような頭部後屈、前頸部伸展の姿勢は、正常は摂食・嚥下機能の発揮やその発達を著しく阻害してしまいます。食事の際の座位シーティングのポイントでは、体幹の角度が何度であっても、体幹と頸部の関係は軽く頭部を前傾した位置を必ず保つようにすることが極めて重要になってきます。
車椅子上での食事の姿勢への配慮として考えられるのが、スリングシートの車イスでは、骨盤が後傾した状態となってしまい、高齢者は背支持から上体を起こした姿勢がとれないために、テーブルから離れた位置で食事をすることになります。車いすから肘掛椅子への異常が出来ると指標となる椅子座位姿勢に近づいていきます。車いす上で食事をする際は、足支持から両下肢を下ろし、足台などを工夫し、椅子座位姿勢に近づけることが重要です。
また、テーブルの高さに配慮し、出来れば個人用テーブルを用いることで、視覚的にも食事の中身が理解できます。また、上肢動作が行いやすくなり食事摂取の自立度が高まります。

ベット上の食事の留意点

嚥下障害や体力低下のある場合、ベッド上ギャッチでの姿勢で必ず頸部前屈姿勢にすることがポイントとなってきます。咽頭への送り込みが出来な人には前傾姿勢は決してしてはいけません。頸部伸展位では摂食しません。
頸部伸展位の際、顎を引きすぎないようにする、顔面神経麻痺のある人に座位または前傾姿勢で摂食させないようにする、食後するに臥床しない、自力摂食を目的に嚥下機能を考慮させず座位で摂食させないとしてあります。

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