車椅子シーティング

車椅子使用での廃用症候群からの脱却リハビリ方法

廃用症候群とは

高齢者の慢性期疾患では、長期臥床に伴う廃用症候群などによる二次的合併症が発生しやすいです。二次障害の中には、廃用症候群のほかにも、脳血管障害の肩関節への不適切な運動による場合の誤用症候群、持っている筋力や身体機能に見合わない過度の身体運動によってひきおこされる過用症候群などがあります。その分類では不良姿勢は誤用症候群によって、それが継続したことによる廃用症候群と考えていいと思います。
ここでは廃用症候群について説明していきます。

廃用症候群になる原因

廃用症候群の原因と症状

廃用症候群は、長期臥床などで活動低下やギブスその他で固定されて身体を動かせなかった事、そして宇宙滞在なども関係する合併症です。筋委縮、関節硬縮、骨委縮、心肺機能や消化機能の低下などの身体的低下とともに、知的・精神機能の低下なども認められることがあると定義されています。
廃用症候群におけるベッド安静は長年にわたる常識的な治療法ですが、長期臥床や安静による効果よりその弊害が大きくなることが指摘されています。
長期臥床による弊害は身体全体に及び、筋骨格系の機能低下に伴って、筋力低下、筋委縮、耐久力低下をもたらします。さらに心循環系に大きな負担をかけることになり、心収縮低下や起立性低血圧などの症状が出現します。このような全心機能低下はいっそう運動低下状態を助長することになり、いわゆる悪循環が成立します。

車椅子を用いてのリハビリの方法

臥床期間をできるだけ短くするためには、ベッドによるギャッチアップ、車椅子座位時間の増加、そして斜面台を用いて徐々に起立位をとり、最終的には可能であれば歩行を行うように勧めます。
リハビリの方法としては、まずギャッチベッドの座位では、背当てと膝部を挙上し、身体のずり落ちを防止します。高齢者では、脊柱の変形や股・膝関節の柔軟性低下などによって長座位保持が困難なケースがあります。膝部の挙上の角度を調整し、脳卒中であれば麻痺側体幹に沿って大きな枕などを置いて体幹の安定化を図っていきます。
麻痺側上肢は大きな枕の上に保持せ方へのストレスを避けます。ベッド上で30分以上の座位が可能となれば、次は車椅子を用いてのリハビリです。特に座位耐久性訓練では30分以上の車いす座位耐久性が獲得できなければ、リハビリテーション室での本格的な訓練は開始できないとしてます。
脳卒中では急性期の状態はティルト・リクライニング機能のある車椅子を使用して離床時間の確保が可能になるようなリハビリ方法を行います。
褥瘡のリスクがある場合、対応能力はベッド>ティルト>車椅子>車イスとなり、起立性低血圧や心マッサージなど医療がより必要であれば、ベッドに、逆に座位や移動であれば車いすになります。それぞれに利点と欠点があり、患者の状態に合わせてリハビリ方法を選択するとよいでしょう。

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