車椅子シーティング

片麻痺の車椅子シーティングの方法

片麻痺の状態

左片麻痺となり身体障害者手帳により低床式車いすを制作し、片手片足操作にて使用しました。その後、操作は体幹の健側への倒れ込みが大きく実用性が低くなってしまいました。30分程度で臀部と腰部の痛みを訴えている状況です。このような片麻痺の症例に対しての車いすシーティングの方法について解説してきます。また、方法として最も重要になってくるのが、評価です。シーティングの評価次第によって、その対策方法が変わってきます。以下にどのような評価を行ったかを記載していますので、是非評価項目などを参考してください!

シーティングに当たっての評価

簡易座位能力分類:Ⅱ
Hoffer:2
Braden Scale:18
右坐骨結節部:NPUAP1度
マット評価:臥位では問題状態。座位では胸郭部の左右支持で安定剤が可能な状態。
以上の評価スケール結果をもとにシーティングの方法と結果をまとめてみました。

方法と結果

車いすの操作性向上と姿勢の安定性を目的に低床式車椅子の座面と背面のスリングシートを外し、板とクッションからなる座位保持装置の座面と背面をとりつけました。右方向への倒れ込みを防止する目的で背支持部に側方支持を左右に装着しました。姿勢の改善は体幹が正中線に近づき、車いすの操作性も向上しました。また、臀部と腰部の痛みが軽減し、車いす座位時間が延長しました。
このように方法を検討し、その片麻痺の方に適した車いすを提供することが出来れば必ず結果が現れてきます。
もしも、シーティングを行った結果状況が何も変わっていなかった場合は、どこかに間違いがあると考えましょう。例えば、一番大事な評価の方法が間違っているケースがあります。評価を間違ってしまえば対策も変わってきます。ですので、評価は慎重に行ってください!
評価結果にあった対策を講じていけば必ず良い結果が生まれてくると思います。
また、頸髄損傷の車椅子シーティングの方法も記載していますので、合わせて参考にしてみて下さい!

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