車椅子シーティング

車椅子の作り方

車椅子の作り方

車椅子を作っていく上ではいくつかの重要なポイントがあります。今までは車椅子が先にあった状態でそれにただ座るというの車椅子の在り方でしたが、それでは色々な問題が生じることが分かってきました。やはり、その人にあった車椅子を選定し作っていくことが大事です。
多くの場合は車椅子の座面と背もたれの角度、座面と下腿または足部までの角度はほぼ決まっていました。その寸法、奥行き、座幅、座面と足部の距離を決定する手法でした。高齢者においては、特に身体寸法などを注意していくことが必要です。詳細は車椅子作成時の高齢者の身体寸法をご覧下さい。
この時点でクッションの考えがないと同時に、今までの作り方は人間を四角い箱に入れるための箱の寸法を測っているという状況でした。その意味では角度について、より考慮していくのが今までの車椅子作成と異なったシーティングの重要な要素であると思います。
しかし、後ろからクッションを決めると、座面の高さが変わり、床やフットサポートまでの距離が変わり、アームサポートとの位置関係が変化します。そして、市販のクッションは幅が決まっているため、狭い座幅のところにクッションを押しこむことになり、クッションが必要とする機能を発揮できなくなる可能性が出てきます。
そのため、クッションを選定を先に行っていく必要があります。その際に褥瘡のリスクを判断していく必要性も出てきます。

姿勢の決定|車椅子の作り方のポイント

マットの評価をすることで、現状の身体状況が確かなものになってきます。例えば、高齢者に多いハムストリングスの短縮を考えてみましょう。標準型車椅子に座ると、骨盤が後傾し、脊柱が円背になる状態です。このとき、標準型車椅子を中心に考えているため、新t内に適合させることが出来ませんでした。レッグサポート(下腿支持)を座面の下に位置すると、ハムストリングスが緩み、骨盤を中立位に保つことができます。座面の前にフットサポートがあるという車椅子の概念を外すことで対応できるのです。
また、骨盤が後傾した姿勢も正すことができます。脊椎での円背が身体全体を前方に移動させ、落下させていく可能性があるので、椅子全体をティルトすることも必要になってきます。前者と比較すると、後者の座位は全長が長くなります。その結果車椅子の回転半径が広くなり、環境への影響が出てきます。逆に前者もキャスタのクリアランスが必要なので、座面が高くなり、机などへのアプローチが問題となってきます。その代わりに、上肢動作など生活の活性化を得ることができます。
つまり、2つの姿勢による車椅子を目的に合わせて選択する必要が出てきます。
また、適合に関する詳細についてはこちらの車椅子の適合をご覧下さい。

車椅子の作り方のまとめ

①褥瘡のリスクからクッションの選択
②姿勢から車いすの角度や寸法形状の決定
③移動への対応
④環境への対応
の4点が車いすを作っていく上で考慮すべき点です!
しかし、現実には先に車いすがあり、環境が決まっているケースが多いと言えます。環境や車いすが先にあるときは、その車いすに乗る方がどのような姿勢になるのか、そしてその姿勢を継続するとどのような問題が発生するか、その為には理学療法士や作業療法士はもちろん他リハ専門職種や介護福祉士がどのような注意や対応をすべきなのかを把握していく必要があると思います。
現在使用している車いすが最適でなくても、褥瘡にならないように最大連側座位時間の設定寝ている状態での姿勢の注意点などを情報として共有していくことが大切です!

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