車椅子シーティング

機能性と生理的な目的

車椅子シーティングの目的:機能性

機能性の目的として挙げられるが、上下肢や頭部、そして嚥下などの運動が機能的に出来ることを示しています。体感の支えで上肢または下肢の動きがしやすくなる事は非常に多く経験することです。Hofferの座位能力分類で、手の支えで座位が可能な方に対しての体幹を安定化させると、体幹を支持していた上肢が解放されて、機能的な状態、例えば車椅子移動や食事動作などが活発化します。
適切な座面の高さは下肢での移動動作を活発化させることができるのです。また、頸部・頭部の適切なアライメントは誤嚥を少なくする可能性を持っています。

車椅子シーティングの目的:生理的

座位姿勢が崩れると床擦れの発生や脊柱変形の原因となり、逆に適切な座位は褥創や脊柱変形を予防します。これを一番最初に考えるべきで、基本的な事項であるといえます。
生理的適合を追求していくと、安楽性や介護性を犠牲にする可能性も出てきます。
無理して使用して、途中でやめてしまっては意味がありません。同時に、座位保持装置の矯正力効果と安楽性や介護で問題が起きやすい事に対して介護者への十分な説明をすることが必要となっていきます。
また、適切な座位は関節可動域訓練や筋力強化に役立ちます。臨床例としても、仙骨座りの使用者が前方が厚く後方が薄めのエッジのついたクッションに座ったところ、毎日、両時間の股関節屈曲方向への無理のない矯正力が股関節屈曲を可能にしました。また、仙骨座りをしている高齢者の方を車椅子の奥に座るようにして頂きました。そうすると、骨盤を起こして、骨盤の上に脊柱と頭部を位置付けることで低下した体幹筋群で体幹を動かすことができるようになるのです。
これは筋力維持と同時に徐圧動作も可能となった例です。

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