車椅子シーティング

呼吸と座位姿勢

呼吸とは?

呼吸と座位姿勢しいては車椅子シーティングというのは大変重要な要素となってきます。
そもそも呼吸とは、生体の細胞に酸素を供給し、細胞の代謝産物の一つである炭酸ガスを除去する営みであるとし、吸気により空気が吸い込まれ、呼気によって呼出されます。呼気機能は疾患、そして座位姿勢が関係していきます。よって、呼吸に関する疾患の有無を確認すると同時に、全てに言えるますが、医師に座位の可能性に関する判断を仰ぐことが先決です。そこから車椅子シーティングなどを考えていきましょう。

呼吸機能

一般に呼吸は肺活量として知られる最大の吸気と最大の呼気を合わせて大きな容量を持っていますが、日常では換気量と呼ばれる非常に少ない量です。成人男性で安静時一回換気量は0.5ℓですが、肺活量は約4.2ℓで約7~8倍となり、予備の能力が非常に高いのです。しかし、高齢者は慢性閉塞性呼吸器疾患の管理の中で、胸郭の可動性の確保と正しい姿勢を見直すことを強調しています。姿勢に関して、横隔膜や腹筋を使い、肩、首、上部胸郭をリラックスさせた正しい呼吸を習慣的にする上で極めて大切であると述べられています。
肺活量や換気量は用意に継続できます。他に呼吸数はもちろん、最終的なガス交換となる血中の動脈酸素飽和度は意識状態と関係なく計測でき、よい指標となります。

呼吸運動

肋骨は後方で胸椎と、前方では胸骨と関節を作り、上下の回転運動を行います。安静吸気では主として横隔膜が働き、横隔膜が収縮し、横隔膜が下がり、侠客は上下に拡大します。安静時では1cm、深呼吸では5cm下方にハイの大きさが変化します。同時に肋骨に関係する筋が収縮し肋骨は引き上げられ、胸郭の前後傾は増大します。また、下部肋骨部では胸郭の横径も増大します。これはバケツの柄の部分が広がることを例に挙げています。これらの可動性を維持するうえで、胸椎や腰椎の位置は重要です。
円背では胸骨は屈曲位となり、肋骨は伸展位と比較し、肋骨の動きを制限させます。ある意味で呼気時の状態となります。一般に吸気は筋が働き、意識的に行うが、呼気は肺が元に戻る力、弾性で可能であります。
また、腰椎の後弯は腹部容積を減少させ、横隔膜の下方への動きを制限させます。一般に車椅子を使用する高齢者での脊柱変形と呼吸の関係について述べたものはないですが、筋ジストロフィー症状での肺活量が脊柱変形がある場合とない場合でさがあると報告もあります。
安静時呼気では関与する筋はありません。吸気時収縮した横隔膜など各呼吸筋が弛緩すると、胸郭および肺の弾性収縮力により、呼気時に拡大した横隔膜、肋骨、胸骨がそれぞれ元の状態に戻ります。
また、腹筋は呼気及び吸気での重要な役割を果たすのです。

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