車椅子シーティング

高齢者の最適な高さ

最も適した高さとは?

ある研究で、高齢者に対しての車椅子の高さや、食事をする際などに机の高さなどの最適化を報告していました。
この研究では、作業台上においた押しボタン装置を操作する時に、これ以上高くなると操作しにくいくなる高さ(上限高)、最も操作しやすい高さ(適正高)、これ以上低くくなると操作しにくくなる高さ(下限高)として、高齢者を含めた実験を行いました。この計測は作業台上で押しボタン操作をした時の操作しやすい高さを示したものです。
若年者と高齢者とも、車椅子座位の場合は座った時の肘の位置が最も操作しやすい高さであるという結果になりました。つまり、高齢者にとっての最適な高さ(イスと机)は座った状態で、肘が丁度机につく状態であると言えます。

高齢者施設などでの取り組み

高齢者は若年者と比べて体型が小さいために、適正高はかなり低くなります。イス座面の高さは約400mmでありますが、作業適正高のテーブル面の高さは604~631mm程度となります。これは押しボタン装置の操作によるものですが、机上での作業域や作業活動や食事についても同様の問題が起きることは確かです。
特別養護老人ホーム入所者を対象とした研究報告もあります。
高齢者の体型を床―肩峰間の距離で計測し、テーブルの高さが作業活動にどのように影響しているのかについて、作業速度を簡易上肢機能検査により測定しました。
実験条件はテーブルの他kさが①700mm②750mmの二つのパターンで実施しました。
結果的には机が体と気に全ての項目で時間遅延があったのです。これらは高齢障害者の作業速度が50mmのテーブル高の差に影響しており、高齢者の食事や作業活動を行わせる上で、机の高さに配慮する必要性があることを裏付けています。
高齢者施設での現状ではテーブルが高くて食べづらいとの意見もありますが、ふつうはならされて無理な姿勢で食事をしているのが現状です。シーティングアプローチを行っている施設では、テーブルの高さを650mmや、椅子座面高を390mm、360mmとしている施設もあります。

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