車椅子シーティング

リクライニング機構とは?

リクライニングの定義

リクライニング車いす

動的な意味でのリクライニング機構はリクライニング車いすなど多くみられる。グリップのレバーを握ることで座面・背面角度が容易に変更できる所が特徴です。
この目的として、起立性低血圧の防止や座位などでの疲労を軽減する目的で使用されていました。
しかし、座面・背面角度の回転中心が乗っている人の股関節部の回転中心と一致していないために、身体背部にずれが生じ褥瘡のリスクを伴い、角度を変える度に姿勢が崩れるなどが起こりやすかったのが難点でした。
更に、臀部への負担はあまり変化しなく、リクライニング機構には徐圧機能を持っていなませんでした。

近年のリクライニング機構

近年のリクライニング時のずれをなくす目的で、主に2種類の機構が使用されるようになりました。1つは車椅子の座面・背面角度の回転中心と乗っている人の股関節中心を一致させる機構です。
もう1つは背面支持部を身体背部の動きに合わせて動かす機構をもつものなどが制作されるようになりました。

静的なリクライニングとは?

静的なリクライニングとは座位保持の評価で述べた股関節角度を示しています。座位保持装置の寸法決定で重要な要素となってきます。背面フレームを少し倒すことで重力の影響を排除し体幹部の倒れを防止できるなど姿勢への適合が出来ます。
車いすで座面フレームと背面フレームの角度をボルトなどで調整できるものがあります。大きくはここで座面・背面角度を調整します。微調整は座背用固定シートのフレームとの位置を調節することで角度調整が可能です。しかし、背面でのスリングシートで述べたように、背フレームと背面支持位置が深すぎると上肢動作を妨げ、接触し褥瘡の危険もでてくるので注意が必要になってきます。

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